Lovearth Camp Web

関西(大阪)を中心に活動するLovearthCamp(ラヴァースキャンプ)では、自転車発電機「ディスコ☆マーラー」での自転車発電アトラクションの企画・制作・実演やイベントはもちろんワークショップ、WEBコンテンツの制作、環境団体や社会貢献団体のPRサポートなどを行っています。

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vol.4 Motherhouse大阪店 大庭憂児

「私たちが作ったバッグを日本からやってきた女性たちが身につけている!」
バングラデシュの工員たちは一同に驚き、いいようのない感動に包まれた。

「この忙しい最中に、見学に来られたら作業に支障が出てしまう」
日本からMotherhouse(マザーハウス)の顧客が旅行会社とのコラボでバングラデッシュを訪れ、見学にやってくると聞いたとき工場側は当初難色を示した。
しかし、日本からの顧客がMotherhouseのバッグを大切に使っている様子を目の当たりにすると工員たちの表情は一変した。

「途 上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念にMotherhouseを率いる山口絵理子(やまぐちえりこ)。圧倒的な情熱と行動力は周知の通りだ が、彼らは「ストーリー性」というものをとても大切にしている。いい商品を作るだけではなく、それは価値を与え、想いを伝えてくれる。今までも様々な場面 に「ストーリー性」を見いだすことで、そこに意味を見つけてきたのだ。そんなMotherhouse の「ストーリー性」について南船場にあるMotherhouse大阪店 店長 大庭憂児(おおばゆうじ)氏に聞いた。

「工員の多くはMotherhouse以前にも工場で働いていました。ヨーロッパのバイヤーにサンプルを渡され、期日内に大量の作業を納めるよう求 められる。間に合わせることが目的だったのです。『これでは日本で通用しない』ミシン目が曲がっているのを見て代表の山口氏は心を痛めながらやり直しを伝 えると」。 『今まで自分たちはそれでやってきた』と工員たちは反発。要求度の高い日本のニーズを伝えるのに山口氏はとても苦労したと大庭氏はいう。

「そんな現地の工員の意識を変えたのが先の日本の顧客の工場見学でした。自分たちのバッグが日本で使われていることはパソコンの画面などを通じて頭では解って いました。でも、実際に使っている人を目の前にするのは始めてのことで、驚きと嬉しさ、照れた表情を見せていたようです。作り手と使い手の顔が繋がり、一 人ひとりが会社の理念を共有できるようになったようです」

ジュートという素材が洗練されたデザインと手仕事によってバッ グという品物になる。さらに、作り手の想いと使い手の喜びが繋がることで、バッグは人間的な「ストーリー性」を獲得する。こうして、バングラデッシュの工 員たちは自分たちの仕事にプライドが持てるようになり、自主的に品質管理を行うようになったという。

さて、Motherhouseのバッグであるが、ここ南船場のショップではウィンドウの雰囲気に惹き付けられて買って行く人が増えてきている。
「いままでは『途上国の人たちが可哀想だから買う』という人が多かったのですが最近は『とてもカワイイから買う』と買っていく人が増えています。そもそも、Motherhouseを知らない方も増えています」

洗練されたカワイイデザインと手の込んだ作り込み、つまりバッグそのものが評価され、フェアトレード的なイメージは希薄になっているのかもしれない。
肝心の商品だが、最新のラインとしてHanabira Seriesが店頭に並び、人気を集めている。
「デザイナーの山口が花びらに注目し、その一枚一枚の有機的なシルエットをモチーフに展開しているシリーズです。花びらは虫や鳥と共存し、祖先を残すための辿り着いた形を持っている。そこに大きな意味と尊敬を感じて生まれたバッグです」


また、大庭氏が担当する大阪店は関西で唯一の路面店ゆえインパクトあるイベントを心がけている。
「お客さまとバッグを、お客さまと私たちをつなぐ『ストーリー性』あるイベントをいつも考えています。商品を一定額以上お買い上げ頂いたお客さまにひまわ りの種を植えて頂き、私どもがそれを育て、翌年に咲いたひまわりの花をプレゼントするというイベント。七夕の日、願いを書いて頂いた短冊を近くの神社でご 祈祷してもらい、翌年にその短冊をお返しするというイベント。私たちとお客さまの間にストーリーがあることで、バッグの価値が上がり、バッグに対する思い 入れも強くなります。こうしてバングラデッシュで生まれたバッグをより大事にして頂けるのです」
『ストーリー性』を重視することで広がる輪がある。つまり『ストーリー性』とは人と人として認めるきっかけであり、自らの取り組みに意味を与え、人と商品やモノを結び、そこに価値と思い入れを与える仕組みなのである。


急成長を遂げてきたMotherhouseであるが、そこにいたるまでの山口氏や大庭氏を含むスタッフの情熱と行動力は卓越したものだったに違いな い。しかし、課題や問題に行き当たるほどにその意味を考え抜き、数々のストーリーを残していった。そこにブランドとしての強みがあるのかもしれない。

「途上国の人たち」と一括りにしただけでは誰の顔も見えてこない。そこに『ストーリー性』を生み出し、あるいは感じることで世界中の人々の顔が見えてくる。そ うした状況を生み出すことが今、求められているのかもしれない。身をもってそれを実践するMotherhouseの軌跡には無数のストーリーが存在する。

Data

Motherhouse 大阪店

大阪市中央区南船場4-13-8 エステート心斎橋102
営業時間 12:00~20:00
定休日 水曜日
http://www.mother-house.jp

Reported by KAZUYA SAKURAI



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