

「温暖化の原因は?」「原発は必要?不必要?」
「私の考え方は間違ってない?」
温暖化や生物の絶滅危機など地球環境破壊への警鐘が鳴り始め、人々の価値観はエコへ、暮らしぶりはロハスへと価値観の方向を一変させた。確かにエネルギーに対する関心や絶滅種を守ろうという意識は大切なこと。
「エコ意識やロハス志向が、ある種のトレンドとなって『〜ねばならない』『〜あるべきだ』といった固定化された考え方が浸透してる気がします。地球環境のこと、そして自然や私たち含めてそこに暮らす生き物について関心を持つのは大切なことで、私自身もそこに心を向けているけど、だからといって『〜ねばならない』『〜あるべきだ』と考えるのはなんだか窮屈な感じがして」
活動を開始して1年半となり、新たなコンテンツや展開が目白押しとなった Lovearth Camp。代表をつとめる甲斐フミヨにLovearth Campのコンセプトを改めて聞いてみた。
「世界中で、私たちの周囲で、知らず知らずに起こっている事、そこに目を向けることは大切ですよね。でも、実際に私たちの耳に入るのは二次情報、三次情報、あるいは幾多のメディアや噂を介した情報だったり。直接、核心に触れることはなかなか難しい。以前、アーティストのSUGIZOさんがLovearth Campのトークショーに参加して頂いた際に『あらゆる情報はメディアがコントロールする部分もあるし、どんな情報も鵜呑みに出来ない』と、話されていました。私たちに出来ることはさらに自分で情報を検証したり、誰かと意見交換することなのではないかと私自身も考えていたので、そのお話にとても共感しました」
おそらくLovearth Campのサイトをご覧の人々は地球環境や社会が抱える様々な問題に関心がある人たちであることは間違いない。その中で、意見交換というのはどういう論点になるのだろう?
「『〜が悪い』『〜は間違っている』私もそうしたメッセージを掲げたい気持ちになることはあります。でも、これが正しいと押し付けたり、あれは間違っていると指摘したりするのではなく、その前に何が真実なのかを探すことが何よりも大切だと思います。例えばLovearth Campのメンバーの中に『原発反対』という人がいてもいいし『原発賛成』という人がいても私はいいと思っている。それぞれの立場から意見交換することで意見が分かれたっていい、そこから学ぶことはとても大きいと思うから」
そういう意味において、Lovearth Campはまとまりのある一つの考えを持つ集団ではないというわけだ。
「訴え方は人それぞれ。何かを『伝えよう』という姿勢も大切だと思う。だけど、私が最も大切にしたいのは『問いかける』ということです。それは、社会に、周囲の人たちに、そして自分自身に問いかける。自分は何を信じるのか、なぜそれを信じるのか、そして何がしたいのか、どう在りたいのか。Lovearth Campはそういったことを考えるきっかけが作れたり、模索したりできる場となればいいな、と思っています」
一方、Lovearth Campでは自転車発電やワークショップ、パフォーマンスなどのコンテンツが取り組みの中心となっている。その取り組みの意味は?
「いろんなことを実際にやってみる、それも感性や勇気、気力を使って取り組むことで見えてくることが沢山あると思います。そうした時間や空間の中で生まれる楽しさや煌めきというものは人々の感度を上げるし、何かに取り組むエネルギーを与えます。Lovearth Campで発信する様々なコンテンツに触れることで、小さな気づきがあったり、何かを感じてもらったり、僅かでもいいので何かがその人の中で変化があればいいなと思うし、Lovearth Campから発信するコンテンツには様々な『問いかけ』に繋がるメッセージが濃厚に詰まっている。だから、地球環境を考える中で『こうすべきだ』『こう伝えたい』などというメッセージは今は必要ないと感じています。『問いかけ』につながるトリガーであればそれでいい。そうした姿勢が Lovearth Campの基本だとここに来て気付いたのです。ぼんやりしていたものがはっきりと姿を現した感じ。そういえばウェブサイトのトップページにも記しているメッセージの中に『私たちLovearth Campは、Lovearth(LOVE EARTH)をテーマに、さまざまなイベント・メディア等を通して、本当に大切なものは何か?を問いかけます』とあったな、『問いかける』というキーワードはずっと存在していたんだな、と改めて気づきました」
考えが明確である事は言うまでもなく重要。そこがはっきりしないとあらゆる行動に対する意味が曖昧になってしまう。ただ、いま自分が持っている考え方、理念についてしっかり検証している人は、私たちを含めてどれだけ要るのだろうか? あらゆる情報や価値観が錯綜する日々の中で、どれだけ正しい情報や考え方をキャッチしているのだろう?
「徹底的に信じている何かを持っているというのはとても幸福なことだけど、物事は自分で知る以上に立体的で複雑だったりしますよね。角度を変えて見ると違う形が見えたりすることもあるし。外側からも角度によって違って見えるし、中に入ってみたらまた違う形が見えるかもしれないし。そのためには、『ん?待てよ?本当にそうなの?』という『問いかけ』が必要なんだと思います」
伝えることはとても大切だけど、甲斐フミヨが軸足を置くのはさらに真実に近づくこと。賛成、反対の立場や固定化された価値観から観る世界ではなく、みんなで意見交換し模索しながら核心に近づく。そのために、最終的に必要なことは自分自身に問いかけることなのである。
共に暮らすプードルは「林檎」と「真珠」。預かる2つの珠玉の命は甲斐フミヨにとっての外付けの生命体。生きる実感をシェアしてもらっているという。
Text by KAZUYA SAKURAI


















